自然災害データブック 2003
分析と概観 2004年3月

Natural Disasters
Data Book - 2003


自然災害データブック 2003
(分析的概観)


はじめに

2004年は、世界で多くの災害が発生した年となりました。スマトラ西方沖地震とそれに伴う津波災害は、歴史上でも有数の規模の死者数をもたらす結果となりました。被災者数という点では、バングラデシュ、中国、インドで広範に発生した洪水が大規模で、そして経済被害といった点においては、日本を襲った度重なる台風と新潟県中越地震が大きな被害を引き起こしました。その他、アフリカ地域では、モロッコで地震が発生し、また、ヨーロッパ地域では、洪水が発生し、多くの人々が被害を受けました。アメリカ地域では、暴風雨が大きな人的・経済的被害もたらしました。

自然災害による被害は、社会や経済、地球環境などの面で深刻な影響を与えています。とりわけ、開発途上国においては、自然災害により引き起こされた経済損失額は、年間のGDPと比較すると大規模なものであり、かつ総体として近年急上昇していることから、持続可能な開発への大きな障害となっています。自然災害による被害は、不安定な経済情勢と絡み合って、開発途上国の発展に負の影響を与える要因となっていることは明らかです。地域別には、過去30年間の統計を見てみると、アジア地域が、世界の中で最も災害による影響を受けた地域であり、世界全体の被災者数の約90%、死者数と経済損失額の約50%以上を占めています。

このように、発展の妨げとなっている自然災害に立ち向かい、効果的な防災メカニズムを構築するためには、過去の災害を分析し、災害の傾向を把握することが必要不可欠な作業となっています。そこで、アジア防災センターでは、2004年に発生した自然災害のデータを集め、その傾向を分析して本書を作成いたしました。この冊子が政策立案者、研究者のみならず、様々な開発活動に関し草の根レベルで活躍されておられる方々にもご活用いただき、我々の防災活動が更に促進され、自然災害に苦しむ人々が一人でも減り、そして世界の持続可能な開発の一助になればと切に願っております。

2005年3月
アジア防災センター
所長 北本 政行



はじめに (pdf)

注記 (pdf)




世界の地域区分


第1章:自然災害のインパクト

1.1 自然災害による被害の傾向と特徴
1.2 アジア地域の脆弱性
1.3 開発途上国と小規模国の脆弱性

第2章:自然災害と持続可能な開発

2.1 人間開発と自然災害
2.2 ジェンダー問題と自然災害のインパクト
2.3 経済と自然災害のインパクト

第3章地域別に見る自然災害の特性

3.1 世界で発生した自然災害の地域別割合
3-2 世界で発生した自然災害の地域特性
3.2.1 アフリカ地域の特徴
3.2.2 アメリカ地域の特徴
3.2.3 アジア地域の特徴
3.2.4 ヨーロッパ地域の特徴
3.2.5 オセアニア地域の特徴

第4章:アジア防災センター メンバー国における自然災害の影響

4.1 災害の種類とアジア防災センター メンバー国での影響
4.2 メンバー国での災害の特徴
4.3 終わりに

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